瀬戸脳天大神

吉野の大峰山に蔵王堂があります。蔵王堂から左手の石段を下りていくと脳天大神様が祀られています。
 
終戦後、金峰山寺管長五条覚澄大僧正猊下が女人行場を開かれました。

ある丑満時、27・8歳の美女が夢枕にあらわれ「大峰山上と同じ行場が権現すべし」との零示を受けられた。その行場はお滝でいよいよ明日落水という日、滝の途中2mメートルあまりの大蛇が頭を割られ目が飛び出して死んでいるのを見つけた。
まわりの子供たちに手伝わしてその大蛇を川の淵にある小さな
洞窟に安置し回向をせられた。

次の日、「金龍王の滝」の滝開きが行われたとき、目の前の深い淵をあの頭を割られた大蛇が頭を割られたまま川の中を泳いでいるでわないか。余りの不思議さで一同驚くばかりでした。

それから毎夜覚澄大僧正はその大蛇の訪問を受け始めました。深夜2時天井に何者かが落ちる音に目を覚ますと、あの頭を割られた大蛇が眼前に現れるのでした。

あまりの不思議さに一心にお経をとなえると何時とはなしに消え去るのでした。数日後大蛇は「是非一度葬られた洞窟にこられよ」と言葉をかけられた。

7月1日夕刻5時頃に約束どおりその場所に行くと、そこには頭を割られた大蛇が「トクロ」を巻いて厳然としてまちかまえていました。

その大蛇は「6月21日にあなたが蔵王権現とり賜われた呪文を唱えられたし」というではありませんか。その呪は「諸法神事 妙行得菩薩」。この意味は諸法はつまり一切の仏法、神事は「かみごと」つまり神道のことです。仏様も神様も両方拝むのが開祖役行者様の教えであります。
その後、大蛇は毎夜現れなくなりました。

しかし、数日後「まつられたし、まつられたし、われは頭を割られた山下の蛇である。

蔵王の変化身である。脳天大神としてまつられたし、首から上のいかなる難病苦難も救うべし。」蔵王大権現様が悩み苦しむ人々を救うため脳天大神として姿をかえられあらわれた。

 「オンソラソバテイ エイソワカ」

首から上の難病苦難を救うという誓願をされました。


吉野の脳天大神様のところに祀られている。


 瀬戸脳天大神様

 

inserted by FC2 system